








奥入瀬
初秋10題
2004.9.25−26
7年ぶりに訪れた奥入瀬、彼岸がすぎてもなかなか涼しくならない異常な暑さの中であせを拭き拭き冬の撮影の準備を進めたときに感じた予感があたり、やはりまだまだ紅葉には奥入瀬は程遠い状況でした。
しかし奥入瀬はその流れの美しさを存分に見せてくれた。
今回EOS10Dで初めて長時間露光を使って見た。
ND4と8フィルターを用意したが、200/2.8をはじめとする単焦点レンズ群は22以上の大絞りでも十分に満足の画像を与えてくれた。
ほとんどが8秒のロングシャッターを使った。
カスタムファンクションでミラーアップに設定し、セルフタイマー作動で特にカメラぶれに気を使った。
また今回はLARGEでテスト撮影したあと流れの効果をモニターでチェックし、RAWモードで本番撮影をした。
激しい流れを見守るような可憐な大文字草の花。ところどころに咲いていて目を楽しませてくれた。奥入瀬は唯一の十和田湖カルデラからの流れ道、広葉樹林の谷間の森を美しく流れる。初日は午後からで最初は陽が差し込んだが、やがてやわらかい光線に変わった。私にはむしろこのくらいのディフューザーがかったほうがありがたい。結構ロングタイムだと目には感じなくても陰陽が出てくる。
「可憐な番人A」 EOS10D 200/2.8 RAW
「可憐な番人B」 EOS10D 200/2.8 RAW
大きな流木が旨い具合に配置されている。森の更新のためか伐採されたり、風か雪か根から倒れて川をまたぐ木々も多い。アメリカのヨセミテへ行ったとき人工的に火災を起こして森の更新をはかっていた。
釣り人にとって厄介な流木も写真にはありがたい。美しいフォルムと奔流がうまくハーモニーしてくれた。
自然は偉大な華道の先生ですね。
「流木」 EOS10D 200/2.8 RAW
シャッター速度によって随分と奔流もその趣を変える。高速でとめた方が良いのか、それとも低速で流れを表現したらよいのか、良く話題になる。今回私は思い切って低速に徹してみた。流れを高速でぴたっと止めてしまうのも何か味気がない。日本人の月並みな表現とおっしゃる方もおられるが、やはり凍結以外には川は滔滔と一刻も止まることなく流れているものであり、無常観を常とする日本人には時を止めるのが写真の役割とは言え、私にはロングシャッターの使用がふさわしいのでは、なんて考えてみた。
私は釣れなくてもウエッダーを履いて渓流を釣り歩くのが好きだ。春は山菜の収穫も楽しめる。茸はどうもわからず採取はしないがわかったらまた楽しいだろうに。ある時同行した若手のプロの先生がそんな私をひやかして、社長は今釣りモード、だとか山菜モードとか・・・。しかし渓流にはマイナスイオンが充満しているそうな。
それに比べて海はプラスイオンとか。癒しにはやはり渓流がいいんですね。水辺に下りなくても遊歩道と平坦な奥入瀬はやはり素晴らしい。随分アメリカ人らしい一行に沢山出会うのでたずねたら三沢のベース務めの人たちだった。外人さんもクリークトレッキングの効能を良く知っているんですね。
デジタルは実に便利、写してみてすぐに液晶モニターでチェック。狙い以上に面白い効果が出て思わずにんまり。渓流つりで大物をGETしたときには誰か見ていてくれていなかったかと思わず周りを見てしまうけれど、写真はあくまでも結果。風景の場合すぐにフィードバックしてさらに良い写真に結びつく。
「渓流秋色A」EOS10D 100/3.5マクロ RAW
私の家から車で5から15分ほどの間にとても美しい渓流が3本もある。子供のころから、親父のあとを追って釣りや投網、ヤスでの捕獲にお供をした。山女、岩魚の渓流魚は石の下のえぐれたうろと言う穴がないとなかなか住めない。岩魚はうろに入ったきりでなかなか出てこない。大水の前後には猛烈に食欲が旺盛になる。うろから出て餌を採る。大水で出水のあと水が引いて釣りに行ったら、頭の上の岩の水溜りでばちゃばちゃしてる尺上(35cm)を頂いたことがある。うらめしそうな私を見る目が思い起こされる。
かすかな岩の上の落葉が秋を感じさせてくれる。本州のほとんどの渓流がこの9月で漁期を終える。山女や岩魚は鱒科で立派な卵をはらむ。塩をふりかけて2、3日冷蔵庫に寝せると立派な筋子に。
自然増殖はなかなかはかどらないそうで、漁協のみなさんの努力で人工増殖がはかられているのが実情だが、なかなか最近は釣り人の数に追いつかない。また上流の樹木伐採などによる土砂の流入がうろをなくしてしまって住めなくしているのも実情だ。
ナイアガラに行ったとき、どうも圧倒的な水量に吸い込まれそうな感じを受け足がすくんだ。日本の川にはそういった感じを抱くことは大水の時以外にはほとんど無い。奥入瀬は安定した水量と比較的平坦な谷、まさに自然の日本庭園といっても過言ではない。阿修羅の流れなどと流れに誰がつけたのか仏教的な名前もあり面白い。
「水底の秋色」EOS10D 100/3.5マクロ RAW
流れにも季節感がある。季節の色がなんとなく漂う。川底にぴったり付着した落ち葉。以前奥日光の湯川でこればかり狙ったこともあった。
「木漏れ日」EOS10D 200/2.8 RAW
「奔流のかたち」EOS10D 200/2.8 RAW
以前九州は阿蘇の外輪山の菊池渓谷に行った。砂利の少ない美しい渓谷で奥入瀬とはまた違う風情だった。足元の岩の割れ目から伏流水が噴出していた。この奥入瀬も伏流水がまた豊富なんだろう。
ぶなや栃、桂などの拠水林がとても美しい。

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